水回りは生活していく上で欠かせないモノの一つで、もし水道が漏水したり、蛇口から水が出なくなると生活に支障が出てしまいます。
「お風呂の排水口が詰まって水があふれてしまっている…」
そんな経験はありませんか？
あんまり知られてませんが、家の中の水回りでお風呂場が一番汚れやすいと言われています。
本記事では、お風呂の排水口がつまる原因、つまらせない対策、つまってしまった場合の対処方法を紹介していきます。お風呂の水トラブルでお悩みの方は是非ご覧ください。
目次
まずはお風呂の排水口の仕組みをご説明します。
お風呂の排水口の中には、異物が流れてしまうのを防ぐ目皿があり、その奥に排水管があります。
排水口と排水管の間には、水が溜まる排水トラップと呼ばれる場所があります。排水トラップに水が常に溜まっていることで、排水管から室内に臭いや虫が入らない仕組みになっています。
しかし、目皿で大きな異物を防いでも、細かいゴミはどうしても排水トラップへと流れていってしまいます。ゴミが内側にこびりついて徐々に蓄積することで、排水を流すための道が狭くなり、流れ出ることができなくなった水が排水口から溢れてしまうのです。
※排水口と全く同じ読み方で「排水溝」がありますが、このふたつは全く別のものです。
「排水口」は家庭にある水回り（お風呂、トイレ、台所など）で排出される水が流れていく穴、「排水溝」は家の外側にある排水を流すミゾのことを指します。
お風呂は毎日使用する場所なので、知らずのうちにつまってしまいがちですが、つまりの原因がわからないと解消することはできません。
では、実際どのようなものが流れて排水口がつまってしまうのでしょうか。
まず、最初にあげられる原因が髪の毛です。
一般的に髪の毛は１日に100本程度抜けるといわれています。洗髪の際に泡と一緒に流れた髪の毛が目皿をすり抜けて排水トラップに流れていきます。
髪の毛は排水口の中で引っかかりやすく、引っかかった髪の毛に汚れが溜まっていき排水口のつまりを引き起こします。
お風呂場で石鹸やシャンプーは必需品ですよね。
皆が使用するこれらが、実は排水口のつまりを引き起こしているのです。
しかし、石鹸をまるごと流しているわけでもないのに、なぜ排水口のつまりの原因になるのか？
実は、石鹸やシャンプーの成分（脂肪酸）と水道水に含まれる成分（カルシウムやマグネシウムなどのミネラル分）が排水口の中で結合すると、水に溶けにくい「石鹸カス」になってしまいます。
この石鹸カスが水で排水口に流されて、どんどん蓄積されてつまってしまうのです。ちなみに、お風呂場の床や蛇口の周りに付着している白っぽい汚れも石鹸カスです。
体を洗うと古くなった皮膚や垢が排水口へ流れていきますが、これもつまりの原因になります。
大きな塊で目に見えるわけではないため目立ちにくいのですが、皮膚や垢は微小ながらも蓄積することで排水口のつまりを引き起こすのです。
何かの拍子に誤って排水口の中に物を落としてしまうこともありますよね。
例えば、シャンプーやリンスなどを詰め替える時の袋の切れ端、髭やムダ毛を処理するためのカミソリの刃など。
固形物そのものが排水口のつまりの直接の原因にもなるうえに、固形物に汚れが付着することでさらに排水口のつまりが悪化するのです。
上記のように流れてしまったものだけが、つまりを引き起こす訳ではありません。
排水口内に溜まった汚れを放置しておくと雑菌が繁殖しヌメリが発生します。このヌメリによってさらに汚れが溜まりやすくなり、排水口のつまりが悪化する原因になります。
また、この雑菌が排水口の悪臭の原因にもなります。
それでは実際にお風呂の排水口がつまってしまった場合の、つまり解消方法を紹介していきます。
＜使い方＞
①液体パイプクリーナーを排水口に適量流す
②30分ほど放置する
③たくさんの水を流す
＜注意点＞
＜使い方＞
①ワイヤーブラシを排水口の奥に差し込めるだけ差し込む
②手元のハンドルでさらに奥に入れる
③汚れに引っかかるため、先端についているブラシで削り落とす
④引っかかりがなくなったらワイヤーブラシを抜いて水を流す
＜注意点＞
＜使い方＞
①ラバーカップを排水口に被せてゆっくりと押し込む
②勢いよく引いて元に戻す
③何回か繰り返す
④つまりの原因になっている物が出てきたら取り除く
＜注意点＞
実は針金ハンガーに簡単な加工をすることでワイヤーブラシの代わりになります。
＜加工方法＞
用意するもの → 針金ハンガー、ペンチ
①持ち手部分の片側をペンチで切る
②針金ハンガーをまっすぐに伸ばす
③片方の先端に直径3cmほどの輪っかを作り交差した部分に巻き付ける
※先端を丸くするのは排水口の内部を出来るだけ傷つけないためです。
＜使い方＞
①加工した針金ハンガーをトラップを外した排水口の奥に差し込む
②つまり部分に到達したら上下左右に動かしてつまりをほぐす
＜注意点＞
＜使い方＞
①目に見えるゴミを取り除く
②目皿に重曹をかけて10分ほど放置
③水で洗い流す
＜注意点＞
・食用と掃除用では成分や粒子の大きさが異なります。必ず掃除用を使用しましょう。
いろいろと試したのに排水口のつまりが一向に解消されない…
そんな時は別の可能性が考えられます。自分で判断が難しい場合は、水回りのプロの水道業者に相談することをおすすめします。
排水管の素材が鉄だった場合、年数が経過すると錆びやすくなります。内部でその錆が溜まり、水の通り道が狭まると排水口のつまりが起きてしまうことも。
水道が錆びている場合は、赤茶色の水が出てくるため分かりやすいですが、排水口の場合は排水管から水が出てくることはなく気づくのが困難です。
日頃のお手入れでも排水管内の錆びを取ることはできますが、やり方が複雑で力を加えすぎると排水管に穴が空いてしまう恐れもあります。
穴が空いてしまうと大規模な修理が必要になってしまうため、自分で無理に直すのではなく水道の専門業者に依頼しましょう。
日本は地震の発生が多い国で、地震や地盤沈下が起こった時に地中にある排水管の勾配が変わってしまうことがあります。
排水管は元々、下水管へ水が流れるように勾配が付けられているのですが、この勾配が変化してしまうと、排水口のつまりの原因になってしまいます。
そうなると個人での修理は不可能。専門の業者に排水管を敷きなおしてもらわないといけません。
排水枡というのは、排水管の先にある敷地外の下水管のつなぎ目に設置されているもので、水回りから出た生活排水などを下水道に流す前に一旦溜めて汚れを沈殿させてから流す役割を担っています。
排水枡に汚れがたまりすぎると、排水口から流した水が逆流してきます。排水枡の汚れを取り除くには専門業者に高圧洗浄を依頼する必要があるでしょう。
お風呂の排水口のつまりトラブルを、自分で解決するのが難しいと思う人も多いでしょう。もし自分で改善できる自信がない場合は、状況が悪くなる前に水道修理のプロに相談しましょう。
ここでは、水道業者に依頼した際の料金相場、依頼するメリットなどを解説していきます。
水道修理業者により料金は様々ですが、安いから良いというわけではありません。
相場より少し高くてもサービス内容が充実していたり、逆に相場より安くても実際の作業で追加料金が発生したり、レベルの低い作業員が来る場合もあります。
料金とサービス内容を比較することが大切ですが、相場の料金を把握してトラブルに巻き込まれないよう知識をつけておきましょう。
高圧洗浄機の使用や、戸建てかマンションでも料金が異なるので、あくまで目安の金額として参考にしてください。
基本料金：約4,000円
作業料金：約4,000円～10,000円
見積もり料金：無料～約3,000円
調査料金：約10,000円
お風呂の排水口のつまり解消には、上記の料金がかかり、相場は合計で約40,000円となっております。
ただし、水道業者によっては基本料金や見積り料金、調査料金を取らないところもあります。
依頼する際は、良心的な水道屋に相談すると良いでしょう。
水道修理業者に依頼をすることで、個人では確認できない部分まで調査してもらえて、何がつまりの原因になっているのか明確にしてくれます。
お風呂の排水口だけではなく水回り全般のプロなので知識も豊富です。つまっているモノをさらに奥へと押し込んでしまったり、排水管に穴を空けてしまうといった症状を悪化させる心配もありません。
また、市販されていない専用の薬剤や器具も揃っており、その時のつまりの状況をみて適切な対処を行ってくれるでしょう。
水道修理業者といっても様々な業者がいて、金額やサービス内容も異なるのは当然、中には不誠実な悪徳業者も存在します。
トラブルをすぐ解決したい消費者の心理に付け込むような悪質な業者の特徴の一例をご紹介します。
「お風呂のつまり、180円で直します！」のような料金を他の業者よりも圧倒的に安く表記している業者には要注意。修理が不要な場所なのに無理やり作業して追加費用を取ったり、「見積り費用」などが発生するケースが多いです。
あとから高額な請求をされてトラブルになる事例が増えています。表記されている金額にどんな内容が含まれているのか、追加で何の費用がかかるのか、事前に確認しておきましょう。
見積もり時には「出張費無料」を謳っていても、出張費とは異なる名目で上乗せされてたり、遠方だったからという理由で高速道路料金や駐車場代を請求されるケースもあります。
出張費が無料と記載されていても、事前の問い合わせした際に業者にしっかり確認しましょう。
専門的な知識が無いことを良いことに、本来修理したいお風呂の排水口のつまりだけでなく、「周辺の修理もすぐに行わないと手遅れになってしまう」、という煽るような言葉で追加の工事を取り付けてくる場合があります。
一刻も早く修理を、と言われても一度冷静になってください。
「今決めたら半額にしますよ」などの謳い文句に引っ掛かってはいけません。
依頼したことを後悔しないように、慎重に判断しましょう。
家の中でも、特にお風呂場はリラックスできる空間でもありますが、排水口がつまって水が流れなくなってしまうと、せっかくの癒しの時間が台無しになってしまいます。
普段から排水口がつまらないように注意しておくことで、トラブルを回避できます。
ここでは排水口をつまらせないための対策方法をお伝えします。
目皿をすり抜けてしまうような髪の毛対策に、ゴミ取りネットを使用してみましょう。通常のゴミ取りネットは目皿よりも目が細かく作られているため、より多くの髪の毛をキャッチでき排水管へ流れてしまうことを防げます。
ゴミ取りネットの他にも、使い古したストッキングを適度な大きさに切って目皿に被せるとゴミ取りネットの代用として効果があります。
ネットの交換頻度はお風呂場の利用人数にもよりますが、できれば毎日、少なくとも１週間に1回は取り替えましょう。
浴槽に新しいお湯を張るためには、溜まった古いお湯を流す必要があります。
浴槽の排水口も排水管と繋がっているため、洗い場ではなくてもつまりの原因になってしまうこともあるでしょう。
小さな網などを使用して浴槽に浮いている髪の毛や垢などを事前に取り除いておくことで、排水口に流れ出る異物が少なくなり、排水口のつまりを予防することができます。
見える部分、触れる部分の汚れは手で取ることが可能ですが、見えない奥の部分の掃除は困難です。
さらに、髪の毛が複雑に絡み合ってしまっている場合、引っ張っても全てを取り除くことは難しくなります。
そんな時は、液体タイプのパイプクリーナーを使用しましょう。液体パイプクリーナーはどろっとしているのですぐには流れず、つまりの原因になっている部分に留まりやすくなります。
液体パイプクリーナーの主な成分である次亜塩素酸ナトリウムはタンパク質を溶かす性質があるため、髪の毛や古くなった皮膚、垢だけでなく石鹸カスも溶かすことができます。
もうひとつの主な成分である水酸化ナトリウムは特に髪の毛を溶かすことに特化しているため、排水口のつまりの原因を除去することができるのです。
しかし、汚れを長い年月放置してしまうと性質が変わり固くなってしまい、液体パイプクリーナーでは分解することができなくなります。なので、できれば週に一度程度、液体パイプクリーナーできれいにすることをオススメします。
液体パイプクリーナーを使っても効果がない場合、汚れが既に固まっている可能性がありますので業者に依頼しましょう。
排水トラップは水を溜めておく性質上複雑な構造になっているため、その分つまりの原因にもなる汚れが蓄積されやすいのです。
目皿を外すと排水トラップのパーツが見えるので、分解してゴミや汚れを取り除きましょう。
上記で説明した液体パイプクリーナーは、排水トラップを取り外すことでより奥まで届きやすくなるので、一緒に掃除をすると効果的です。
お風呂の排水口のつまりは、ただ水が流れにくくなるだけではありません。悪臭の原因や排水管自体の破損にもつながります。
手の施しようがなくなる前に日常的にメンテナンスを行いましょう。定期的にチェックする時間が無かったり、既につまりがひどくなっているようであれば、水道修理業者に相談してください。
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