キッチンやお風呂などで、水がスムーズに流れなくなったら困りますよね。
排水管の洗浄を行いたいと考えているものの、
「自分で排水管を洗浄できるのかな？」
「どういった状態ならプロに任せた方がいいの？」
上記のような悩みを抱えている人も多いでしょう。
排水管の流れが悪いとき、早めに対処しなければ大がかりな工事が必要になる場合もあります。
そこで今回は以下の3点について解説します。
排水管の洗浄を検討している方は是非参考にしてください。
目次
排水管は毎日水を流す場所です。
メンテナンスを怠ってしまった場合、日々排水管に汚れが蓄積していき、ある日突然水が流れなくなることもあるでしょう。
排水管の異常になるべく早く気付く必要があります。
また、一般の人が対処できるのは軽度の詰まりの場合のみなので、不安であれば排水管洗浄のプロに相談しましょう。
ここでは、排水管の洗浄が必要と思われる症状を紹介します。
水を流した後にコポコポと音がする場合は排水管が詰まっている可能性が高いです。
音がしているけれど一応水は流れているから、と放置してしまうと完全に水が流れなくなってしまうことも考えられます。
また、水が排水口の上で一旦止まり、数秒後に流れていくというような状態も注意しなければいけません。
水の流れが悪いことに気づいた段階で、パイプクリーナーやラバーカップで詰まりを解消することにより大事にならずに済みます。
排水口から下水の臭いや、生ゴミが腐ったような臭いがするときも排水管が詰まっている場合があります。
排水管が詰まると髪の毛や石鹸カスがヘドロのようになり異臭が発生します。
また、長期間水道を使っていない場合も異臭が発生することがあります。
ただ、これは排水管に溜まっている水が蒸発したことによるものであるケースが多く、水を流して異臭が消えるようなら気にする必要はありません。
排水管は普段の使用方法によって詰まりやすくなってしまいます。
家の各場所ごとに気をつけるべきポイントや詰まりの原因は異なります。
下記の詰まりの原因をチェックし、詰まりを起こさないよう気をつけましょう。
洗面台は排水口のゴミ受けにゴミが溜まっていて、水が流れないケースもあるので、まずはゴミ受けを掃除しましょう。
それでも水が流れないのであれば、排水管の詰まりが考えられます。
洗面台は髪の毛やヒゲ、顔を剃った際に落ちたまゆげなどが原因で詰まります。
また、ヘアピンやカミソリを落として詰まる例もあります。
お風呂は髪の毛や体毛、シャンプー剤のカスなど、ゴミの量が特に多く、排水管が詰まりやすい場所です。
こういったゴミが溜まっていくと浴槽の栓を抜いても、なかなか水が流れなくなってしまいます。
また、一戸建てに限られますが、野外に設置されている排水枡から水が溢れている場合は排水枡が詰まりの原因と考えられます。
排水枡とは排水管と排水管をつなぐためのものです。
排水管の点検のための枡で、排水に含まれるゴミや油分を取り除く役割もあります。
洗濯機の排水管は洗濯物の糸くず、洗剤カスなどが原因で詰まることがあります。
特にドラム式洗濯機は詰まりやすいです。
節水に優れているため、排水される水も少なく糸くずや脂などが流れにくいからです。
そのため、排水フィルターのこまめな清掃が必要となります。
また、お風呂の残り湯を使用している場合は、髪の毛や体毛なども詰まりの原因となるので、詰まり防止を考えるとおすすめできません。
キッチンの排水管の詰まりは油が最大の原因です。
油汚れのある食器などを洗ったときに落ちた油が排水管に溜まり、その油の温度が冷えることによって固まります。
そこに洗剤カスや食材カスが付くことにより塊となって排水管を塞いでしまいます。
油料理で使用した鍋や食器は水で流す前にキッチンペーパー等で拭き取りましょう。
また、カップラーメンの残り汁や食べカスも日々流し続けると排水管内に蓄積され、詰まりの原因となります。
トイレの排水管は一度に大量のトイレットペーパーを流すことが、主な詰まりの原因となっています。
トイレットペーパーは水に溶けるようにできていますが、通常の使用範囲を超えた量を一気に流すと詰まってしまうので、分けて流すようにしましょう。
ティッシュペーパーをトイレに流す人も多いですが、ティッシュペーパーは水に溶けないので詰まりの原因となります。
一度に数枚程度であれば流すことはできるかもしれませんが、排水管にティッシュペーパーが残ることにより、ある日突然水が流れなくなるという事態になることも考えられます。
また、トイレクリーナーや赤ちゃんのおしり拭きなどトイレに流せるものでも、一度に何枚も流してしまうと詰まる恐れがあります。
ほかにはスマートフォンやボールペン、下着など水に溶けない物を落としてしまうケースも多いので、うっかり落とさないように注意が必要です。
排水口のすぐ下の部分など軽度の詰まりであれば自分で洗浄をして詰まりを解消できるケースもあります。
一般の人でもお金や手間をあまりかけずにできる、排水管の洗浄方法は下記の表の通りです。
| 洗浄方法 | 効果 | 詰まりの原因 |
|---|---|---|
| お湯 | 軽い詰まりのみ解消できる | 油汚れ |
| ワイヤーブラシ | 排水管の浅いところの詰まりであれば解消できる | 油汚れ、紙つまり |
| ラバーカップ | 固形物以外の詰まりであれば解消できる | 油汚れやトイレットペーパーなど固形物以外 |
| パイプクリーナー | 油や髪の毛による詰まりであれば解消できる | 油汚れ、髪の毛 |
| 重曹とクエン酸 | 軽い詰まりのみ解消できる | 油汚れ、コゲ |
それでは洗浄方法ごとの手順を詳しく解説します。
排水管の詰まりや水の流れが悪いのは排水口や排水トラップに原因がある可能性もあります。
排水口とは風呂場やキッチンの流しにある排水のための穴のことで、排水トラップとは排水口のふたを開けると見える筒状の部分です。
排水トラップに水が溜まり、その水が下水からの臭いや害虫を防いでいます。
まずはこれらのパーツについているゴミを歯ブラシやスポンジで取り除きます。
そして、パーツをまとめて塩素系漂白剤につけて除菌します（汚れが多い場合は30分程度置いてください）。
その後、ぬめりが無くなるまで漂白剤を水で洗い流しましょう。
簡単に排水管を掃除する方法としてお湯を流すという方法があります。
油は冷えると固まる性質があるため、軽い油汚れであれば温めることで柔らかくなり、落とすことができます。
まずはシンクの排水口部分に栓をして50～60度のお湯を八分目程度で溜めてください。
それから栓を外して一気にお湯を流すと熱と水圧によって排水管に付着している油汚れなどが取れ、詰まりが解消されます。
ただし、お湯は排水管を流れているうちに温度が下がるため、奥の詰まりには効果が無い場合もあるので覚えておきましょう。
また、60度を超える高温のお湯を流すと排水管が傷む恐れがあるので注意してください。
排水管の浅いところにゴミが溜まっていて詰まりが発生している場合はワイヤーブラシで詰まりを解消できる場合もあります。
ワイヤーブラシはホームセンターや100円ショップなどで販売されているもので大丈夫です。
キッチンや洗面台には排水口の下に排水管を曲がりくねらせ、そこに水が溜まる排水トラップというパーツがあります。
排水口から排水トラップまでの距離は短いので、その間に詰まりがある場合はワイヤーブラシで解消することもあるので試してみましょう。
掃除方法としては排水管の中にワイヤーブラシを入れ、ゴミを絡めとった後に水を流し、詰まりが解消されたことを確認します。
ちなみに浴室はキッチンや洗面台と構造が違うためワイヤーブラシでは掃除できません。
ラバーカップはトイレの詰まりを解消するために使うというイメージが強いですが、キッチンや洗面台など他の場所の詰まりにも使えます。
ラバーカップは様々なサイズがあるので、購入前にあらかじめ排水口のサイズを測っておきましょう。
トイレ以外の場所で使用する時はお椀型の和式トイレ用のものを選んでください。
使い方としてはまず、周りに水が飛ぶことが考えられるので、新聞紙や雑巾を敷いておきます。
それからラバーカップのゴム部分が水で覆われるように水を足し、ゴム部分を排水口につけます。
ラバーカップをゆっくりと排水口側に押し当ててゴム部分をへこませ、勢いよく2cm程度引っ張り、またゆっくりと押し当てます。
このとき排水口から上に引っ張りすぎると水が飛び散るため注意が必要です。
この作業を何度も繰り返してから、詰まりが解消されたことを確認しましょう。
パイプクリーナーとは排水口に流し入れて排水管内部の髪の毛や油分などを落とせる洗浄剤です。
ドラッグストアなどで購入できる液体パイプクリーナーを選ぶと良いでしょう。
業務用パイプクリーナーは効果は強力なものの、使い方を間違うと危険であり、一般の人には扱いが難しいです。
パイプクリーナーには粉末タイプもありますが、吸い込んでしまうリスクもあり危険なため、おすすめできません。
水酸化ナトリウムという成分が油汚れに効果を発揮し、必要な濃度は1％以上です。
市販されているパイプクリーナーの水酸化ナトリウムの濃度はほとんどが1～3％ですが、1％未満の商品もあるので、購入前に成分をチェックしましょう。
使用の際は目や口に入ったり、皮膚に触れないようにするためゴーグルやマスク、ゴム手袋を付けてください。
もし、体に液体が付いた場合は流水でしっかり流す必要があります。
また、他の洗剤や酢などと混ざってしまうと有毒ガスが発生するため、洗剤等は別の場所に置き、換気を行ってください。
使い方としては、まず排水管が見えるまで排水口のふた、ゴミ受けカゴ、排水トラップなどの部品を外した後に排水口にパイプクリーナーを注ぎ入れます。
その後30分程度放置し（製品によって違いがあるため注意書きを確認してください）、その後洗剤が完全に流れるまで水ですすいでください。
重曹とクエン酸は食品添加物でもあるため、キッチンやその他の場所でも人体への悪影響を心配することなく使えます。
排水口を洗浄する場合はまず、重曹とクエン酸を1:2の割合で混ぜ、排水口のふたやゴミ受け、排水トラップなどを外してください。
そして排水口とそれぞれのパーツに粉末をかけた上、粉末を溶かすように40～50度くらいのお湯をかけます。
ここで、お湯ではなく水を使用してしまうと粉末が溶けず、排水管の詰まりの原因になるので注意しましょう。
30～60分ほど放置した後に40～50度くらいのお湯を排水口にかけ、洗い流したら洗浄は完了です。
排水管の詰まりは自分で解消することができる場合もありますが、大事なのは普段から掃除をして詰まりを起こさないことです。
洗い物を行う際に油をそのまま流さないなど、気をつけるべきポイントを把握し、習慣にすることで詰まりを予防できます。
ここでは普段の排水管のお手入れの方法についてご紹介します。
排水口の周りは常に綺麗にしておくことが詰まり予防になります。
キッチンであればシンク、ゴミ受け、排水トラップなどを一日の終わりに掃除しましょう。
その際、排水トラップやゴミ受けを外したままだと誤って異物を落としてしまうこともあるので注意が必要です。
あとは、定期的にパイプクリーナーで汚れを落としましょう。
排水管の詰まりの原因は油や油脂が最も多いため、唐揚げや天ぷらで使った油はそのまま捨ててはいけません。
凝固剤や片栗粉で固めてから可燃ゴミとして捨ててください。
ペットボトルのキャップのような小さいものでも排水管に引っかかってしまい詰まりの原因になるので、シンクのゴミは小さいものでも放置せずその都度捨てましょう
また、洗い物をした後に水を多めに流すことで詰まりの予防になります。
50～60度程度のお湯を排水管に流すことも詰まりの予防になります。
お湯を流すことは悪臭や雑菌、害虫対策になり、排水口や排水管にこびり付いた油汚れや、ぬめりも落とすことができます。
ただし、60度を超えるような熱湯を大量に流すと排水管を傷めてしまうので注意が必要です。
料理などで熱湯を使ったときもそのままシンクに捨てず、ボウルなどに入れた上、水で温度を下げてから捨てることをおすすめします。
排水管の詰まりを自分で解消できるのは軽いケースだけです。
自分では手に負えないと判断したらプロに任せましょう。
これまで紹介した排水管詰まりの解消法でも改善しないのであれば、重度の詰まりである可能性が高いです。
特に排水管の洗浄を一度も行っていないケースだと、汚れが蓄積されていると考えられます。
その場合は高圧洗浄で汚れを落とす必要があるでしょう。
排水管の高圧洗浄用具は市販されているので、自分で高圧洗浄することもできますが、専門知識がない場合排水管に傷をつけてしまう可能性があります。
排水管が傷ついてしまうと、水漏れを起こし建物の他の部分にも影響が出ることもあるので、リスクを考えるとおすすめできません。
排水管の高圧洗浄は新築の場合、7年程度で1回目を行い、その後は3～5年ごとに1回行うのが望ましいとされています。
排水管の詰まりの症状や原因は表面から見ただけでは分かりにくいものです。
ちょっとした作業で改善するのか、大きな改修を必要とするものなのかは水道修理業者でなければ分かりません。
排水管洗浄を業者に依頼する場合の料金は一戸建てか集合住宅かで異なります。
一戸建ての場合は業者による差が大きく数千円～6万円程度となっています。
業者が確認するまでは正確な料金はわからないので、見積もり料金無料の業者に見積もりをお願いしましょう。
集合住宅の場合は建築基準法などの法律上の観点から、衛生上処置が必要とされています。マンションの場合年に1～2回程度排水管清掃が行われるケースが多いです。
基本的には管理会社が排水管洗浄を業者に依頼して定期的に行っています。
また、集合住宅は建物全体で排水管がつながっており、自分の部屋だけ洗浄をしても詰まりが解消されないことが考えられます。
個別に排水管の洗浄を行いたい場合は管理会社へ相談してください。
この記事では排水管が詰まった際の対処方法について解説しました。
普段からマメにお手入れをすることにより排水管の詰まりを予防できるので、記事の内容を試してみてください。
排水管が詰まると不便な思いをしたり、手間や料金もかかったりします。
水の流れが悪かったり、異臭がしたりするときは早めに対処することでちょっとした作業で解消できる可能性が上がるでしょう。
しかし、詰まりがひどくなった状態だと水が溢れかえったり、大規模な改修が必要になることもあるので注意が必要です。
自分で排水管の詰まりを解消できるかどうか判断できない場合はプロに相談してください。
高額な料金を取る業者もいるので、無料で見積もりを行ってくれる誠実な業者を選ぶと良いでしょう。
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