水道の蛇口をひねって突然赤い水が出てきたら、びっくりして慌ててしまうでしょう。
朝一番に蛇口をひねったとき、長期間家を空けていて久しぶりに蛇口をひねった際に起こる場合がある現象です。
この水道からでる赤い水を「赤水」と呼んでいます。赤水の原因がわからないと、どう対処していいかわからずに困ってしまいますよね。
この記事では、水道水が赤くなる原因や対処法をお伝えします。赤水でお困りの方は、ぜひ参考にしてください。
水道水が赤くなる原因は「サビ」です。サビが混ざった水が赤く濁り、蛇口から出てきます。
サビが水に混ざる原因は、主に以下の4つです。
水道水が蛇口から出るまでのどこかで、劣化によってサビが発生している可能性が考えられます。
それでは、それぞれの原因を1つずつ詳しく解説します。
家庭内の給水管や管の継手は、経年劣化によってサビが発生します。
劣化した給水管や管の継手に発生したサビがはがれ落ちて、給水管を通る水道水に混ざります。
この給水管や継手のサビによる赤水は、金属製の給水管が使われている築年数が古い住宅やマンションではよくあることです。金属製の配管は、15年〜20年程度で寿命を迎えます。
経年劣化は避けられません。状態によっては交換が必要となります。
一方で、築年数の浅い住宅では、サビにくい塩ビ管やステンレス管、ポリエチレン管などが、給水管として多く使われています。
配水管のサビがはがれ落ちて水道水に混ざると、家庭内にそのまま運ばれて赤い水が出ます。
赤い水が長時間続く場合は、道路に埋設された配水管のサビが原因である可能性が高いでしょう。
各家庭に水を届けるために道路に埋設された配水管は、鉄などの金属でできています。
水道水には殺菌や消毒のために塩素が含まれているので、金属でできた配水管はサビが発生しやすい状態にあります。
水道水への塩素投入は衛生上不可欠ですので、金属製の配水管の劣化は避けられません。
近隣で断水や水道工事があると、汚れやサビが水道水に混ざって蛇口から赤水が出る場合があります。
断水や道路工事によって、水の流れが急激に変わり配水管のサビがはがれ落ちやすくなるからです。
ただ、断水や水道工事で赤水がでる場合は、一時的なものであることが多いでしょう。
水道工事の際は、事前に案内があるはずです。工事前に汲み置きなどをして、水を確保しておきましょう。
マンションやビルなどには、貯水槽が設けられていることが多く、貯水槽の内部に発生したサビで水道水が赤くなることがあります。
多くの集合住宅は配水管に流れる水を一旦貯水槽にためてから、各家庭に水を流す仕組みです。
長期的にメンテナンスが行われていない貯水槽の内部には、サビが発生している恐れがあります。
赤い水道水の原因が貯水槽のサビである場合には、貯水槽の洗浄や交換が必要となります。
管理会社に対処してもらうほかないので、改善するまでに時間を要するかもしれません。
戸建て住宅の場合は、配水管から各家庭に水が供給されているので、貯水槽の心配をする必要はありません。
赤い水道水を飲料として、生活用水として使うのは躊躇してしまうでしょう。水道水が赤いときにできる対処法を3つ紹介します。ぜひ、試してみてください。
1つ目と2つ目の方法は一時的な方法であると考えてください。原因にもよりますが、透明な水に戻ってもしばらくするとまた赤い水が出る恐れがあります。
赤い水道水の対処法1つ目は、特に断水や道路工事による赤水に有効な方法です。水道水を一定時間出し続けてみてください。
断水や水道工事によって汚れた水を出し切ってしまえば、普段通りの透明な水に戻ります。出す水の量は、バケツ1杯程度が目安です。
給水管や配水管、貯水槽の劣化によりサビが混ざっている場合は、水を出し続けて改善したとしても一時的なものにすぎません。
浄水器を蛇口に取り付ける方法もあります。浄水器のフィルターが、水に含まれているサビを除去してくれます。
蛇口に取り付けるタイプの浄水器であれば取り付けも簡単でリーズナブルな価格なので、備えとして1つ持っていてもいいでしょう。
ただし、浄水器は取り付けたあと、定期的にフィルター交換をする必要があります。サビを根本的に解決しないと、コストがかかるのがデメリットです。
一時的な対策にはなりますが、永続的な対策としてはおすすめできません。
給水管のサビによる赤い水道水を根本的に解決するには、水道修理業者に点検を依頼するのがおすすめです。
状況によって洗浄修理や新しいものに交換をしてもらうことで、サビによる赤水は解決します。
給水管のサビに気づいたら、できるだけ早く対処しておきましょう。
一時的な対処ではまた同じトラブルが起きますし、給水管の状態が悪くなればなるほど修理に費用がかかってしまいます。
また、点検により家庭内の給水管ではなく道路に埋設されている配水管に原因があるとわかった場合は、水道局へ連絡することになるので注意しましょう。
集合住宅の場合は、管理会社に連絡をしましょう。配管の工事などは勝手にできない場合もあるからです。
相談により、管理会社が業者を手配してくれる場合もあります。
また、貯水槽に原因がある場合は、管理会社に対応してもらわなければなりません。
点検や洗浄、取替工事などは、時間がかかる可能性もあります。その際は、浄水器を使用する必要があるでしょう。
すぐに解決しない赤水であれば、水が使えず生活は不便になります。
赤い水道水は「飲んでも大丈夫？」「使ってもいいの？」など、赤水による影響も気になるところでしょう。
赤水は、見た目も含め鉄の味、臭いがするなど水質も変化するので気をつけなければなりません。
赤水を飲んでしまったときの人体への影響や、水道水を使う電化製品への影響を紹介します。
これまで紹介してきたように水道水が赤くなる原因は、配管などのサビです。
サビは鉄であるため身体に吸収されにくく、万が一飲んでしまっても大きな健康被害を及ぼすわけではありません。
ただし、鉄分を摂りすぎると嘔吐や下痢を起こす可能性があるので、極力飲まない方が安全です。
そもそもサビを含んだ水は、鉄の味や臭いがするので美味しくありません。飲料としては利用できないでしょう。
水道水を使う電化製品といえば、洗濯機ですね。洗濯機に赤水を使うと、不具合の原因となります。
赤水を洗濯水として使用すると、給水フィルター等に細かい粒状のサビが詰まる恐れがあります。
粒状のサビが詰まると、水の出が悪くなり給水ができなくなるので洗濯水として利用するのはおすすめできません。
また、衣類に赤い色が移ってしまう可能性もあります。
水道水には、赤い水が出る以外のトラブルも考えられます。赤以外の色つきの水が出てきて驚くことがあるでしょう。
ここでは、赤水以外でよくある水道水トラブルとして、白・青・黒の水について解説します。いざというときのために、原因や対処法を知っておくと慌てずにすみます。
水道水が白く濁って見えるときがあります。これは、水道工事などの影響で水道水に空気が入り込み、細かな気泡となって出ているためです。
透明なコップに水を入れてしばらく置いておくと、徐々に透明になります。原因は水中に溶け込んだ空気であるため、安全性に問題はありません。
時間を置いても透明にならない場合は、鋼管でできた水道管の劣化で亜鉛が溶けだしている可能性があります。
亜鉛は大量に摂取しなければ、問題はありません。もし気になるようであれば、水道局に問い合わせましょう。
水道水が青いときは海や湖の水が青く見えるのと同じで、目の錯覚であることがほとんどです。浴槽でよく見られる現象で、光の反射によって起こります。
特にアイボリー系の浴槽は、光の加減で水が青く見えやすくなります。青く見える水を透明なコップなどに入れてみるとわかりますが、水自体に色がついているわけではありません。
もし、透明なコップに入れても青色に見える場合は、給湯器に使用する不凍液が混ざっている可能性があります。
滅多にあることではありませんが、実際に水が青い場合は一度点検してもらいましょう。
水道水が黒いときは、水道水に含まれる微量のマンガンが塩素で酸化した二酸化マンガンが原因と考えられます。
配水管に付着した二酸化マンガンは、水道工事などにより急激に水の流れが変わるとはがれ落ちるため、黒くなった水道水が蛇口から出てきます。
水道工事による一時的なものであれば、水をしばらく出し続けることで透明な水に戻るので心配ありません。
水を出し続けても改善されない場合は、水道局に連絡しましょう。
また、マンガンの毒性は低く吸収されにくいため、大量に摂取しなければ人体に影響はありません。
水道水が赤くなる原因は、給水管や配水管、貯水槽などに付着したカビです。カビが発生している場所を特定して対処する必要があります。
ただ、カビは目で確認できない場所で発生しているので、利用者が場所の特定をするのは難しいでしょう。
まずは、水を一定時間出し続けてみてください。それでも改善されない場合は、水道修理業者に依頼して点検または管理会社に連絡して対処してもらいます。
また、赤い水道水は人体に大きな影響を及ぼすものではありませんが、飲料としては味も臭いも適さないので飲まないようにしましょう。
い場合は、水道修理業者に相談しましょう。原因の特定から修理まで、迅速丁寧に対応してもらえます。
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