生活をしていれば必ず起こるトイレのトラブル。
詰まりや水漏れなど色々な症状がありますが、トイレのレバーが突然壊れるという不具合も時折発生します。
水を流したくても流せないから慌ててしまいますし、すぐに対処するのは難しいですよね。自分でどう対処したらいいかもわからないでしょう。
「レバーが空回りする」、「元の定位置に戻らない」、「水が流れ続ける」など症状はさまざまです。
このようなとき、原因を特定して適切な対応をしなければなりません。
この記事では、トイレのレバーが壊れたときに自分でできる応急処置と症状別の対処方法を紹介します。
トイレのレバーが不調でお困りの方、万が一のトラブルに備えたい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
まず最初に、トイレに水が流れる仕組みを解説します。
トイレのレバーは、便器内に水を流す大切な役割をしていますが、仕組みがわかると対処方法も理解しやすいでしょう。
トイレのレバーにはチェーンが取り付けられており、チェーンの先にゴム玉のような部品がくっついています。
このゴム玉のような部品をフロートバルブといいます。
フロートバルブの役割はトイレタンクの底の排水口の開閉です。
しかし、単独で開閉ができるわけではありません。フロートバルブとレバーが連動することで排水口の開閉が行われています。
レバーを回すとチェーンの先のフロートバルブも同時に動きます。
レバーを回すことで、フロートバルブが上に持ち上がり、閉じられていた排水口が開くことによって水が便器内に流れこむ、という仕組みです。
トイレレバーに異変を感じたら、原因の特定をしましょう。
原因を探るときは、これから紹介する2か所をチェックしてください。
①トイレのレバー本体
②トイレのレバーにつながるチェーン
多くの場合、これで原因がわかります。
原因の特定が難しいときやトイレの構造が特殊な場合は、自分でやろうとせずに水道業者に依頼しましょう。
トイレタンク内は狭く壊れやすい部品もあるので、いろいろ触っているうちに被害が広がることもあります。
まずはレバー本体を見てみましょう。
レバーの状態(折れていないか、曲がっていないか、サビついていないか)や、ナットがしっかりと締まっているかどうか確認してください。
レバーを回したとき元に戻らず、水がチョロチョロと流れ続ける症状だと、レバーの劣化が原因と考えられます。
レバーの軸に異常があると、レバーが本来の動きができないため、チェーンでつながったフロートバルブが排水口をふさぐという役割を果たせません。
また、水漏れは、レバーの水漏れ防止のパッキンが原因です。
経年劣化、あるいはパッキンがずれている状態なので、レバーを取り外してパッキンの状態をチェックしましょう。
パッキンは、レバーを固定するためのナットの内側か、レバーの内側のいずれかに取り付けられています。
この他にも、レバーを回したときの感覚が、いつもよりゆるい、固いなどの違和感があった際は、レバー本体が原因と考えられるでしょう。
トイレのレバーの不調で一番多い原因は、チェーンです。
レバーやフロートバルブにしっかり取り付けられているか、チェーンが絡まっていないか、切れていないか、をチェックしてください。
レバーを回しても空回りする症状があるときは、チェーンに問題があると考えていいでしょう。
チェーンに異常があると、レバーとフロートバルブの連動が上手くいかず、排水口が閉じたままになるため、水を流せなくなってしまいます。
トイレのレバーが壊れて困ったときは、応急処置としてこれから紹介する3つのことを行ってください。
応急処置をしておくことで、このあと紹介する対処方法をスムーズに実践できます。
まずは、汚物を流します。
便器内に汚物が残ったままだと、臭いが気になりますし、いい気分はしませんよね。
レバーの操作で流せる状態であれば、いつも通り水を流しますが、故障している場合はバケツを使ってに汲んだ水を流します。
この方法は水が飛び散ることがあるので、汚れてもいい服装で行いましょう。
飛び散った水の掃除を楽にするために、便器の周りに新聞紙や雑巾を敷いておくことをおすすめします。
水の飛び散り対策ができたら、ペットボトルなどを利用して8リットルほどの水を用意してください。
そして、用意した水の半分を勢いをつけて便器内に流し込みます。
水が流れ終わったのを確認してから、残り半分の水を静かに流しましょう。
トイレタンクの水を抜いておきます。
レバーからの水漏れはもちろん、その他の症状でも、水漏れが発生することがあるからです。
トイレタンク内の水を空にする方法
①止水栓を閉める
②水を流す
順番に紹介します。
トイレタンクの横、または床の給水管にある止水栓を閉めます。
溝があるタイプは、マイナスドライバーを溝にあてて、時計回りに回しましょう。
ハンドルタイプもありますが、同様に時計回りに回すと止水栓は閉まります。
このとき、回した回数を覚えておいてください。開けるときに同じ回数回します。
これで止水栓が閉まっている状態になりますので、新たに水が供給されることはありません。
次に、トイレタンク内の水をすべて流します。
レバーを回して水を流せるときは、いつも通りレバーを使って水を流してください。
レバーが壊れて動かない場合は、トイレタンク内のレバーにつながるチェーンを手で直接引っ張って水を流しましょう。
応急処置の3つ目は、トイレタンクのふたは外すことです。
真上に持ち上げると外せますが、管でつながっている場合は、接続部分のナットをゆるめてから持ち上げてください。
ナットは手でゆるめられることが多いですが、固くしまっているようでしたらレンチを使いましょう。
トイレタンクのふたが外れたら、レバーに取り付けられているチェーンを手で引っ張ります。
トイレのレバー本体が壊れたとき、どのように対処したらいいか、その方法を症状別に解説します。
なお、この対処法は先程紹介した応急処置をしてから作業してください。
トイレのレバーから水漏れがするときは、水漏れ防止用のパッキンが劣化して状態が悪くなっているか、取付位置ずれている可能性が高いでしょう。
ずれているだけなら、正しい位置に戻すだけです。
長く使っており劣化しているならば、新しいものに取り替えましょう。
パッキンの交換方法
①トイレのレバーからチェーンを外す
②レバーを外して、パッキンを交換する
③レバーを取り付けて、水漏れが解消されたかチェック
レバーに取り付けられているチェーンは、金具に引っかけてあるだけなので簡単に外せます。
トイレタンクの内側を見ると、ナットでレバーが固定されているのがわかります。
レンチを使ってそのナットを外してください。
ナットが外れたら、ナットの内側のパッキンを確認します。
パッキンが見当たらないときは、レバーを引き抜いてレバーの内側を見てみましょう。
どちらかには必ずあります。
パッキンの位置を確認できたら、新しいものを取り付けてください。
パッキンの交換ができたら、レバーを元通りに取り付けます。
元に戻す際は、レバーの向きに注意してください。
最後は、パッキンがしっかり取り付けられ、水漏れが解消できたか確認します。
止水栓を開けて、タンクに水をためましょう。
止水栓は反時計回りに回すと開きます。
水がたまったら、レバーを回して水を流してみましょう。
問題なければ、タンクのふたを閉めます。
もし水漏れが解消されていなければ、パッキンの位置やナットの締め具合を再度確認してください。
トイレのレバーを回したあと元に戻らない場合は、レバーの軸に問題があると考えられます。
劣化による影響なので、新しいレバーに取り替えましょう。
トイレのレバーの交換方法
①トイレのレバーからチェーンを外す
②レバーを外して、新しいレバーを取り付ける
③止水栓を開けてレバーがスムーズに動くかチェック
レバーの金具に引っかけてあるチェーンを外します。
続いて、トイレタンクの内側にあるレバーを固定するナットを、レンチを使って外しましょう。
ナットが外せたら、レバーは引っ張るだけで抜けます。
新しいレバーをつける際は、レバーの向きに注意してください。
このとき、パッキンの取り付けを忘れないようにしましょう。
最後は、レバーの動きのチェックです。
止水栓を反時計回りに回して開きます。
トイレタンクに水がたまったら、レバーを回して、その動きと水の流れに問題がないかチェックしてください。
トイレのレバーを回したとき、いつもよりゆるい、かたいなどの感覚がある場合は、レバーを取り付けるためのナットに問題があります。
ナットの締め直しをしてみてください。
それでも変わらないようでしたら、先ほど紹介した通りに作業をして、レバー本体を交換しましょう。
チェーンが原因でトイレのレバーが壊れたときは、レバーを回しても水が流れません。
この場合は、チェーンを取り付け直すか、新しいものに交換しましょう。
チェーンが絡まっている場合は、ほどいて取り付け直すだけで改善されます。
チェーンが切れている場合は、新しいものに交換してください。
チェーンの取り外しや取り付けは、引っかけるだけなので簡単です。
チェーンを取り付ける時には、長さに注意してください。
チェーンの長さによって、レバーを回したときに流れる水の量が変わるからです。
元々取り付けられていた長さに合わせるのが一番です。
もし、長さがわからなくなってしまったら、チェーンをピンと張った状態から2〜3玉分余裕を持たせる長さにして、一度水を流してみてください。
水量が多いと感じたらさらに1玉分短くして、反対に水量が少ないと感じたら長くして調整しましょう。
長く使っているトイレであれば、チェーンと一緒にフロートバルブも交換しておくことをおすすめします。
フロートバルブはゴム製なので、時間の経過とともに劣化します。
チェーンとセットで販売されているものもあるので、検討してみてください。
トイレのレバーは、ホームセンターやネットショップ、メーカーの公式サイトから購入できます。
多くは、1,000〜3,000円ほどの値段で売られています。
安いからいい、高いからいいというわけではありません。
必ず、家庭のトイレタンクに合ったものを選びましょう。
トイレタンクのメーカーと型式を確認して検索すれば、どの型式のレバーを買えばいいかわかります。
トイレタンクに表示があるので確認してみましょう。
ただし、トイレタンクのメーカーや型式がわかっても古いタイプのものだと、生産が終了している可能性もあります。
その際は、後継のものがあるはずなのでそちらを選んでください。
もしわからなければ、直接メーカーに問い合わせれば教えてもらえます。
トイレのレバーが壊れてしまったとき、交換用の部品・材料と簡単な工具を準備できれば、自分で対処できる場合もあります。
しかし、「やってみてもうまくいかなかった」、「難しくてトラブルが解決できなかった」ということもあるでしょう。
そのようなときは、迷わず水道業者に相談してください。
仮に修理の作業の途中であっても、対応してくれるでしょう。
トイレのトラブルは、トイレタンク内の構造の知識がなかったり、修理作業に慣れていない人にとっては難易度が高い作業です。
トイレタンク内には繊細な部品もあるため、修理中に更なる被害が発生して悪化してしまうことも考えられます。
自分でやる自信がない方は迷わず水道業者を頼りましょう。
プロにお任せすれば、スピーディーに解決してくれます。
水道業者に依頼する場合に、気になるのは費用でしょう。
水道業者に依頼したときにかかる費用は、作業費と部品・材料費です。
トイレのレバーに関連する修理であれば、作業費は8,000円~が相場です。
部品・材料費は、ものによって異なるので、見積もり書で確認してください。
依頼する水道業者によっては、作業費や部品・材料費以外にも費用が発生する場合があります。
例えば、出張費、見積もり費用、早朝・深夜の時間外料金などです。
また、基本的にトイレの修理の場合は、現地確認してからの正式見積もりになりますが、見積もり提示してもらった後に断ったら、キャンセル料を請求してくる業者もいます。
業者に電話で問い合わせした際は、必ず作業費や部品・材料費以外に、どんなコストが発生するのか、キャンセル料がかかるのか、確認しましょう。
この記事では、トイレのレバーが壊れたときの応急処置と対処方法について紹介しました。
レバーが壊れたときは、レバーだけでなくチェーンに原因がある場合もあります。
原因を特定して、症状に合わせた対処が必要です。
原因の特定が難しいときや自分で対処するのが難しいと感じる方は、水道業者に依頼して対処してもらうことをおすすめします。
修理の途中でも自分で解決できそうにない場合は、無理をせずプロにお任せしましょう。
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