「庭にある下水マンホールから汚水が溢れている！」こんなトラブルで困っていませんか？
自宅敷地内にあるマンホール（排水桝）から汚水が溢れるのは、排水管の詰まりが原因です。トイレやキッチン、お風呂などで使用した水は、床下や地中の排水管を通り、敷地内のマンホールを経由して公共下水道へと流れます。
しかし、排水管が詰まると汚水がスムーズに流れず、マンホールから逆流して溢れ出てしまうのです。放置すれば悪臭が蔓延し、近隣トラブルにもつながります。
この記事では、マンホールから汚水が溢れる原因と対処法、予防策について解説します。緊急時の対応から、自分でできる点検方法まで分かりやすくご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
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目次
自宅の敷地内にある小さなマンホールのようなものは、正式には「排水桝（はいすいます）」または「汚水桝（おすいます）」と呼ばれる排水設備です。
一般的な道路のマンホールとは異なり、人が入れるほどの大きさはなく、手が入る程度のサイズ（直径30〜45cm程度）が一般的です。この汚水桝には以下の重要な役割があります。
正常な状態では、汚水桝の中に水は溜まっておらず、底面が見えています。もし水が溜まっている場合は、排水管の詰まりや不具合が考えられます。
敷地内のマンホールには「汚水用」と「雨水用」の2種類があります。多くの自治体では、汚水と雨水を別々に処理する「分流式」を採用しています。
蓋に「汚水」「雨水」などの表示がある場合もありますが、表示がない場合は専門業者に確認してもらうと安心です。
多くの方が「下水道は行政が管理してくれるもの」と考えがちですが、実は敷地内の排水管やマンホールは、基本的に住人または所有者の管理責任になります。
市区町村が管理しているのは、道路下の本管（公共下水道）までです。それより手前の敷地内の配管や排水桝は私有地扱いとなり、詰まりや破損があっても行政は対応してくれません。
つまり、庭や駐車場などの敷地内にあるマンホールから汚水が溢れた場合、自分で対処するか、専門の水道業者を手配する必要があります。
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敷地内のマンホールから汚水が溢れるトラブルの原因の8割以上は「排水管の詰まり」です。排水管が詰まると、本来下水道に放流されるはずの汚水がマンホール内に滞留し、溢れ出してしまいます。
ここでは、排水管の詰まりを引き起こす具体的な原因について解説します。
排水管詰まりの原因の9割は油汚れです。キッチンで使用した食用油や調味料の油、食材に含まれる脂肪分が排水管の中で冷えて固まり、管内に付着していきます。
さらに以下のものが蓄積すると詰まりを悪化させます。
これらの汚れは長い時間をかけて管内に付着し、固形化することで詰まりの原因となるのです。
風呂場や洗面所からは以下のものが排水管に流れ込みます。
特に髪の毛は排水管内で絡まりやすく、石鹸カスや皮脂と結合して頑固な詰まりを引き起こします。
トイレからの排水も詰まりの大きな原因です。
これらが排水管内にとどまると、その後から流れてくる汚物をせき止めてしまい、詰まりを引き起こします。
洗濯室からも詰まりの原因となるものが流れ出ます。
洗剤カスは排水管内に付着しやすく、糸くずと絡まることで詰まりを引き起こします。
地中に埋まっている排水管やマンホールに木の根が入り込み、詰まりを起こすことがあります。木の根は髪の毛1本ほどの細い隙間から侵入し、流れてくる水を栄養として増殖。
中には、排水管と同じ直径1〜2mほどの太さにまで成長する木の根もあります。自宅の庭や近隣に草木が多く植わっている場合は特に注意が必要です。
一般的に、排水管には塩化ビニール素材のパイプ（塩ビ管）が使われています。塩ビ管は丈夫で耐久性が高く、水分に強いため錆びにくいのが特徴です。
しかし、耐用年数を超えると亀裂などが入りやすくなります。そこから土や雨水などが流れ込んで泥が溜まり、内部を詰まらせるのです。
また、古い集合住宅などでは排水管に鉄管が使われていることもあります。この鉄管が錆びて劣化すると、内部が狭くなって汚れなどが詰まりやすくなります。
マンホール（排水桝）も、塩化ビニール素材を使った「塩ビマス」が主流です。塩ビマスは丈夫ですが、排水管同様、耐用年数を超えると劣化する可能性が高くなり詰まりの原因になります。
また、古い住宅では、素材にコンクリートを使った「コンクリートマス」が使われていることがあります。コンクリートマスはヒビが入りやすいため、そこから土や雨水、木の根などが入り込んで詰まりやすくなるのです。
各家庭の排水管には、一戸建てタイプとマンションなどの集合住宅タイプの2種類があります。排水管が詰まって汚水マンホールが溢れやすいのは、圧倒的に一戸建てタイプです。その理由は排水管の設置方向にあります。
マンションなどの集合住宅では、各階の部屋から排出された下水をまとめて下に流すため、排水管が垂直方向に設置されており、下水が上から下へ勢いよく流れやすい傾向にあります。
しかし、一戸建ての場合は、多くの排水管が水平方向に設置されているため、汚水の流れが悪く、詰まりを起こしやすくなるのです。
また、集合住宅では管理会社によって定期的に排水管のメンテナンスが行われていますが、一戸建ての場合は点検を行う機会が少なく、排水管の不調が放置されやすいという問題もあります。
よって、一戸建てにお住まいの方はより注意が必要です。
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マンホールから汚水が溢れてしまったときは、以下の手順で対処しましょう。症状が軽いうちに対応することで、結果的にかかる費用を抑えられます。
まず、トイレやお風呂、キッチンの排水がスムーズかを確認しましょう。複数の箇所で流れが悪い場合、屋外の排水桝（マンホール）に問題がある可能性が高いです。
流れが悪い場合はキッチンやトイレ、風呂場、洗面所、洗濯室などの排水管が詰まっていないかを確認しましょう。大量の汚物や固形物を流したことによる急激な詰まりであれば、汚れを掃除したり、固形物を取り除いたりすることで解消可能です。
また、水の流れが悪い場合は、市販のパイプクリーナーで詰まりを解消したり、ラバーカップで異物を吸引したりすれば解決できる可能性があります。
ラバーカップの使い方
家の中の排水管に異常が見られない場合や、別の排水口から水が逆流してくるような場合は、屋外の排水管やマンホールが詰まっている可能性が高いです。
マンホールの蓋を開けて内部を確認してみましょう。ヘドロ・汚物の詰まりや水位の異常があれば、そこが原因の可能性大です。
マンホール内部の掃除手順
※作業の際は、マスク・手袋・長靴の着用を忘れずに。においや感染症のリスクもあるため、十分注意してください。
自分で試してみても解決できない場合は、決して無理をせずに水道修理業者などプロに依頼しましょう。
無理に詰まりを解消しようとすると排水マスを破損するおそれもあり大変危険です。また、集合住宅の場合は、個人で対処しようとすると他の部屋に被害が拡大するおそれもあります。
集合住宅の方は、大家さんや管理会社等に相談し、水道修理業者に依頼してもらいましょう。
以下のような症状がある場合は、すぐに専門業者へ連絡してください。
トラブルを放置してしまうと、地盤沈下や建物内部の水漏れにもつながるため、早めの判断が重要です。
水道修理業者などプロの専門業者は、以下の方法で下水マンホールの溢れを修理します。
排水管内に専用のカメラを入れて、詰まりなど異常な箇所を綿密に調査します。
業務用の強力な高圧洗浄機で、排水管の中に溜まっている汚れを強い水圧で掻き出して詰まりの原因を除去します。
手の届かない配管の奥まで器具を挿入し、しっかりと汚れを洗浄・除去します。木の根などの異物を摘出する場合にも使用します。
頑固な詰まりに対しては、専用の薬剤を使用して溶解させることもあります。
プロの専門業者であれば、素早くかつ徹底的に排水管や排水マスの詰まりを取り除き、マンホールの溢れを解消可能です。
排水管等の清掃・高圧洗浄の料金相場は、8,000円〜20,000円程度です。汚水が溢れ出ている状況で依頼するとさらに高額になり、80,000円以上の費用が必要になるケースもあります。
症状が軽く詰まりが生じていない状況で依頼することで、結果的にかかる費用は安くなります。
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排水管の詰まりは、日頃のちょっとした心がけで防ぐことができます。マンホールが溢れるといった最悪な事態を予防するためにも、以下の予防法を実践しましょう。
キッチンや風呂場、洗面所、トイレの排水管は、家庭用のパイプクリーナーなどを使って定期的に洗浄しましょう。また、排水口のヘアキャッチャーや排水目皿、フタ等なども、気が付いたときに掃除をすることをおすすめします。
排水桝を掃除する場合には、直接汚れを掻き出してブラシなどを使って掃除します。台所などで使用する中性洗剤で十分です。排水桝の中には、パイプクリーナーなどの洗剤カスなども残っている場合があるため、しっかりと掃除するようにしましょう。
年に1〜2回程度は、屋内外の排水管やマンホールの点検を水道修理業者などのプロに依頼しましょう。定期的にチェックしてもらうことで、排水管の詰まりによるマンホールの溢れを未然に防ぐことができます。
特に一戸建て住宅の方は、集合住宅のように定期的に点検に入ってもらう機会が少ないため、排水管内に汚れが蓄積しやすくなります。
プロの手によってこまめにメンテナンスをしてもらえば安心できます。マンホールが溢れて大慌てする前に、ぜひプロに依頼しましょう。
高圧洗浄などで徹底的に掃除してもらいたい場合には、年に1回は水道業者に依頼するのもおすすめです。詰まってから対応するより、詰まる前に定期メンテナンスをする方が、結果的に費用も安く済みます。
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マンホールの汚水に悩んでいる方からよくある質問をまとめました。
A1. ホームセンターまたはネット通販で購入可能です。
| 購入方法 | 価格目安 | メリット・注意点 |
|---|---|---|
| ホームセンター | 5,000円〜10,000円 | 実物を確認でき、送料不要。サイズを確認して購入可能 |
| ネット通販 | 5,000円〜10,000円 | 豊富な種類から選べるが、重量があるため送料が高額になる場合がある |
購入前に必ず現在のマンホールのサイズ（直径30cm、45cmなど）と材質（塩ビ、コンクリート、鋳鉄など）を確認してください。
A2. 半年に1回の自己点検と、年1回のプロによる清掃が目安です。
| 清掃方法 | 頻度 | 目的・理由 |
|---|---|---|
| 自分で点検・軽い掃除 | 半年に1回 | 詰まりの原因を定期的に取り除き、水の流れを保つ |
| プロによる高圧洗浄 | 年1回 | 排水管の奥まで徹底的に汚れを除去。詰まる前の予防が重要 |
定期的なメンテナンスを行うことで、詰まりによる高額な修理費用を防ぐことができます。
A3. 台所用の中性洗剤で十分です。
作業時は必ずマスク・手袋・長靴を着用し、衛生面に配慮してください。
A4. 軽度な詰まりであれば効果がありますが、重度の場合はプロに依頼してください。
| 詰まりの程度 | 対処方法 | 効果 |
|---|---|---|
| 軽度（水の流れが少し悪い） | 市販のパイプクリーナー | 効果的。定期的な使用で予防可能 |
| 中度（水が溜まる） | ラバーカップ + パイプクリーナー | 併用すれば改善する可能性あり |
| 重度（汚水が溢れている） | 専門業者による高圧洗浄 | 市販品では対応不可。プロの技術が必要 |
マンホールから汚水が溢れ出ている状況では、既に詰まりが重度になっているため、専門業者に依頼することを強く推奨します。
A5. 下水道のシステムによって異なります。
| 下水道のタイプ | 噴き出す水 | 説明 |
|---|---|---|
| 分流式 | 雨水のみ | 雨水と汚水が別系統。雨水マンホールからは雨水のみが噴出 |
| 合流式 | 雨水 + 汚水 | 雨水と汚水が同じ系統。混合した水が噴き出す可能性がある |
どちらのシステムが採用されているかは、お住まいの自治体によって異なります。詳しくは市区町村の上下水道局にお問い合わせください。
A6. 以下の症状が確認された場合は、すぐにプロへ依頼してください。
無理に自分で対処すると排水管や排水桝を破損させ、問題が悪化する可能性があります。早めの判断が費用を抑えるポイントです。
マンホールから汚水が溢れる原因の8割以上は、排水管の詰まりです。排水管内に汚れや誤って流した固形物が詰まり、水の流れが悪くなることで、マンホールへと逆流します。
軽度な詰まりであれば自分で解消できる場合もありますが、自力で対処できない場合は速やかに水道修理業者に依頼することをおすすめします。無理に解消しようとすると、排水管や排水マスを破損するおそれもあり危険です。
さらに、集合住宅の場合は自分で直そうとすれば、被害が他の部屋に拡大するおそれもあります。
敷地内のマンホールや排水管は、基本的に住人または所有者の管理責任です。日頃からこまめに予防策を実践し、年に1〜2回はプロに点検を依頼することで、トラブルを未然に防ぐことが可能です。
マンホールから汚水が溢れてお困りの方は、できるだけ早く水道修理業者などプロの専門業者に作業を依頼しましょう。
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