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下水マンホールから汚水が溢れる!自分でできる対処法とは?

排水管・排水溝 公開日:2023.3.10  最終更新日:2024.10.29

「庭にある下水マンホールから汚水が溢れてる!」

こんなトラブルで困ったことはありませんか?

トイレやキッチン、お風呂などで使用した水は、全て屋外の下水マンホールへと流れ、公共下水道へと排水されます。

しかし、何らかの理由でマンホールが詰まってしまうと、汚水が溢れ出てしまうことがあるのです。放置しておけば悪臭が蔓延し、近隣に迷惑をかけることにもなりかねません。 .

そこで今回は、自宅敷地内にある下水マンホールが溢れてしまったときの対応策についてご紹介します。また、自宅でできる解消法や予防法なども解説しますので、ぜひ参考にしてくださいね。

下水マンホールから汚水が溢れる原因は排水管の詰まり

キッチンやお風呂、トイレなどの排水口から出た汚水は、各家庭の床下や地中にある排水管を流れて屋外にある排水マス(下水マンホール)に集まります。

そして、公共の下水管へと合流し、流域の下水管を通って下水処理場に流れていきます。

しかし、床下や屋外にある排水管が何らかの理由で詰まりを起こすと、汚水が下水マンホールまでうまく流れ切れずに逆流し、溢れ出てしまうのです。

排水管の詰まりが起きやすいのは「一戸建てタイプ」

各家庭の排水管には、「一戸建て」のタイプと「マンションなどの集合住宅」のタイプの2種類があります。

排水管が詰まって下水マンホールが溢れやすいのは、圧倒的に一戸建てのタイプです。それは排水管の設置方向に原因があります。

マンションなどの集合住宅では、各階の部屋から排出された下水をまとめて下に流すため、排水管が垂直方向に設置されており、下水が上から下へ勢いよく流れやすい傾向にあります。

しかし、一戸建ての場合は、多くの排水管が水平方向に設定されているため、汚水の流れが悪く、詰まりを起こしやすくなるのです。

また、集合住宅では、管理会社によって定期的に排水管のメンテンナンスが行われていますが、一戸建ての場合は点検を行う機会が少なく、排水管の不調が放置されやすいのです。

よって、一戸建てにお住まいの方はより注意が必要になります。

排水管の詰まりを引き起こす原因とは?

各家庭の排水管が詰まることで、下水マンホールが溢れることがわかりましたね。では、排水管の詰まりを引き起こす原因とは一体何でしょうか。

ここでは、いくつかの原因についてご紹介します。

キッチン・風呂場・洗濯室などから出る汚れ・流してしまった固形物

排水管の詰まりを起こす大きな原因が、キッチン・風呂場・洗濯室などから出る汚れや、流してしまった固形物です。

場所ごとにくわしく説明しましょう。

キッチン

  • 食用油
  • 調味料の油
  • 食材に含まれる脂肪分
  • 食材カス
  • 洗剤・石鹸カス
  • 流してしまった固形物(つまようじ、箸、スプーン、フォーク、食器スポンジなど)

風呂場・洗面所

  • シャンプー・リンス・石鹸のカス
  • 髪の毛・髭
  • 皮脂
  • 唾液
  • 歯磨き粉
  • 流してしまった固形物(歯ブラシ、ヘアゴム、ヘアピン、カミソリの替刃、アクセサリーなど)

洗濯室

  • 洗剤・石鹸カス
  • 洗濯機の糸くず
  • 流してしまった固形物(洗濯バサミなど)

上記の汚れは、長い時間をかけて管内に付着し、固形化することで詰まりの原因となります。

また、流れてしまった固形物には汚れが引っ掛かって溜まりやすいため、排水管の流れが悪くなり詰まりを誘発させます。

トイレの汚物・落としてしまった固形物

トイレの汚物や落としてしまった固形物も排水管を詰まらせる大きな原因となります。いくつか例をご紹介しましょう。

  • 大量の排泄物
  • 大量のトイレットペーパー
  • 落としてしまった固形物(鍵、スマホ、おもちゃ、ペン、おむつ、おしりふきなど)
  • 尿石や蓄積した汚れ

これらによって、その後から流れてくる汚物をせき止めてしまい、排水管を詰まらせてしまうのです。

木の根

地中に埋まっている排水管や下水マンホールに木の根が入り込み、詰まりを起こすことがあります。

木の根は、髪の毛1本ほどの細い隙間から排水管やマンホール内に入り込み、流れてくる水を栄養として増殖していきます。

中には、排水管と同じ1~2mほどの太さにまで成長する木の根もあるほどです。そのため、自宅の庭や近隣に草木が多く植わっている場合は注意が必要です。

排水管の劣化

一般的に、排水管には塩化ビニール素材のパイプ、通称「塩ビ管」が使われています。塩化ビニールは丈夫で耐久性が高いほか、水分に強いため錆びにくいのが特徴です。

しかし、耐用年数を超えると亀裂などが入りやすくなります。そこから土や雨水などが流れ込んで泥が溜まり、内部を詰まらせることもあるのです。

また、古い集合住宅などでは、排水管に「鉄管」が使われていることもあります。

この鉄管が錆びて劣化すると、内部が狭くなって汚れなどが詰まりやすくなります。

下水マンホール(排水マス)の劣化

下水マンホールも、塩化ビニール素材を使った「塩ビマス」が主流です。

塩ビマスは丈夫なものの、排水管同様、耐用年数を超えると劣化する可能性が高くなり、詰まりの原因になるので注意しましょう。

また、古い住宅では、素材にコンクリートを使った「コンクリートマス」が使われていることがあります。コンクリートマスはヒビが入りやすいため、そこから土や雨水、木の根などが入り込んで詰まりやすくなるのです。

以上のような汚れや木の根、排水管等の劣化など、さまざまな要因が排水管内に詰まりを起こし、下水マンホールが溢れる原因となるのです。

排水桝のつまりや原因・対処法についてはこちら

下水マンホールが溢れてしまった時の対処法

それでは、下水マンホールが溢れてしまったときにはどのように対処すればよいのでしょうか。ここでは、自分でできる解消法をご紹介します。

屋内の排水管が詰まっていないかチェックする

まずは、キッチンやトイレ、風呂場、洗面所、洗濯室などの排水管が詰まっていないかを確認しましょう。

大量の汚物や固形物を流したことによる急激な詰まりであれば、汚れを掃除したり、固形物を取り除いたりすることで解消できます。

また、水の流れが悪い場合は、市販のパイプクリーナーで詰まりを解消したり、ラバーカップで異物を吸引したりすれば解決できる可能性が高くなります。

下水マンホールをチェックする

家の中の排水管に異常が見られない場合や、別の排水口から水が逆流してくるような場合は、屋外の排水管や排水マスが詰まっている可能性が高いです。

そのため、下水マンホールの蓋を開けて内部を確認してみましょう。

マンホール内に汚水や汚物が溜まっていれば、ホース等で水を流しながら長い棒などを使用して汚物を崩してみてください。

徐々に詰まりが解消して汚水が流れる場合もあります。

自分で解決できない詰まりはプロの水道修理業者へ

自分で試してみたものの、どうしても解決できない場合は、決して無理をせずに水道修理業者などプロに依頼しましょう。

無理に詰まりを解消しようとすると排水マスを破損するおそれもあり大変危険です。

また、集合住宅の場合は、個人で対処しようとすると他の部屋に被害が拡大するおそれもあります。

大家さんや管理会社等に相談し、水道修理業者に依頼してもらいましょう。

水道修理業者の修理方法

水道修理業者などプロの専門業者は、下水マンホールの溢れをどのように修理するのでしょうか?

まず、排水管内に専用のカメラを入れて、詰まりなど異状な箇所を綿密に調査します。次に、業務用の強力な高圧洗浄機や、電動ワイヤー、ロッド式管清掃機、薬剤などを使用して、手の届かないような配管の奥までしっかりと汚れを洗浄・除去します。

プロの専門業者であれば、素早くかつ徹底的に排水管や排水マスの詰まりを取り除き、下水マンホールの溢れを解消してくれますよ。

なお、排水管等の清掃・高圧洗浄の料金相場は、8,000円〜20,000円程度です。

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自宅でできる排水管の詰まりの予防法

排水管の詰まりは、日頃のちょっとした心がけで防ぐことができます。ここでは、その心がけをいくつかご紹介します。下水マンホールが溢れるといった最悪な事態を予防するめにも、ぜひ参考にしてください。

キッチン

  • 鍋や皿に付着した油脂はよく拭き取って洗う
  • 使用後の油はそのまま排水口に流さずに固めて処理する
  • ゴミ受けや排水トラップをこまめに洗浄する
  • 洗い物が終わった後に、排水管に油が残らないようにお湯をたくさん流す

風呂場

  • 大量の毛髪を流さない
  • 毛髪はできる限り拾い集めてゴミ箱に捨てる
  • 入浴後はシャンプー・リンス・石鹸などのカスが残らないようによく流す

洗面所

  • 毛髪はできる限り拾い集めてゴミ箱に捨てる
  • ヘアキャッチャーはこまめに洗浄する
  • ヘアピンやアクセサリーを着け外しするときは排水口に栓をしておく

洗濯室

  • 洗濯機の糸くずフィルターは使用のたびに掃除する
  • 排水口周辺のホコリを除去する
  • 異物を一緒に洗濯しないよう気をつける

トイレ

  • 排泄物やトイレットペーパーを一度に大量に流さない
  • 水に溶けないものは流さない
  • トイレに流せる掃除グッズや猫砂などは用法・要領を守る
  • 1回使用するごとに必ず水を流す(特に男性の小便時)
  • 過度な節水をせず、大便時には「大」で流す

なお、キッチンや風呂場、洗面所、トイレの排水管は、家庭用のパイプクリーナーなどを使って定期的に洗浄しましょう。また、排水口のヘアキャッチャーや排水目皿、フタ等なども、気が付いたときに掃除をすることをおすすめします。

屋外

  • 下水マンホールの位置を確認し、蓋を開けて内部をチェックする
  • 落ち葉や土砂などが排水管やマンホール内に流れ込まないように周辺を清掃する

年に数回はプロに点検の依頼を

年に1~2度程度は、屋内外の排水管や下水マンホールの点検を水道修理業者などのプロに依頼しましょう。定期的にチェックしてもらうことで、排水管の詰まりによる下水マンホールの溢れを未然に防ぐことができます。

特に一戸建て住宅の方は、集合住宅のように定期的に点検に入ってもらう機会が少ないため、排水管内に汚れが蓄積しやすくなります。

プロの手によってこまめにメンテナンスをしてもらえば安心できますね。下水マンホールが溢れて大慌てする前に、ぜひプロに依頼しましょう。

まとめ

今回は、下水マンホールから汚水が溢れてしまったときの対処方法について解説してきました。

下水マンホールから汚水が溢れる原因は、排水管の詰まりが原因です。排水管内に汚れや誤って流した固形物が内部を詰まらせ、水の流れが悪くなり、下水マンホールへと逆流してしまうのです。

自分で排水管の詰まりを解消できる場合もありますが、自力で対処できない場合は速やかに水道修理業者に依頼することをおすすめします。無理に解消しようとすると、排水管や排水マスを破損するおそれもあり危険です。

さらに、集合住宅の場合は自分で直そうとすれば、被害が他の部屋に拡大するおそれもあるでしょう。

よって、排水管の詰まりが原因で下水マンホールが溢れてしまった場合は、無理に自分で解決しようとせず、できるだけ水道修理業者などプロの専門業者に作業を依頼することをおすすめします。

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